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ヒマラヤ・トレッキングニュース
最近のネパールの政情について(2007年9月)

 去る9月27日、日本では以下のよう内容の報道が流れました。

朝日新聞「asahi.com」の以下URLを参照下さい。
http://www.asahi.com/international/update/0926/TKY200709260408.html?ref=rss

主な内容は
1. ネパール会議派は来る11月の選挙で王制を廃止し共和制移行を公約にし、主要政党が王政廃止の方針を明らかにした。
2. 昨年11月まで王制打倒の武力闘争を続けた毛派や統一共産党も共和制移行を支持。
3. 今年4月に毛派は暫定政権に入り武装解除に同意したが、選挙前に共和制を宣言する要求が認められないとして、9月18日政権から離脱した。

 このようなネパールの政情について、これからヒマラヤトレッキングを計画されている方々のご心配もあるかも知れませんので、簡単に現地情報をお知らせします。

<現在の政情>
1. コングレス(会議は)二派に分かれていたものが9月23日再び合併したもので、会議派そのものが将来の国の体制についてどのようにしたいのか明らかにしておりません。
コングレス党の実態は派閥の集合体、それぞれが勝手に花火を上げているといえます。これはコングレス党に限ったことではなく全てのネパールの政治家、政党に言えることです。
2. コングレス党のバッタライ最高顧問、コイララ首相及びそのグループは王制・立憲君主制擁護派です。9月8日、バッタライ(Krishna Prasad Battarai)最高顧問は、先にコングレス党が表明した共和制に不快の意を表わしました。そしてGanesh man Singh氏、BP Koirala氏と同様に民主勢力と国王側の長い対立は、国家の自主独立,民主主義を危うくするばかりでなく、経済も弱めてしまう。大切なことは、現状からセーフランディングするには統一と和解しかないとも述べています。
(注)バッタライ氏は1990年の民主化運動後、最初の首相でコングレスの党首。
   コイララ氏は現首相の兄、初代首相。コングレス創立者。
3. コングレス党の選挙用マニフェストの一部を紹介しますと、ネパール・コングレス党(会議派)は共和制の名のもと軍事政権、一党独裁制(マオイストをさす)、宗教政党の独裁(ヒンズー至上主義党をさす)を拒否すると言っています。
4. 9月9日、ネパール国軍参謀総長 Rookmangud Katwal 氏は首相に対するブリーフィングの中で、来るべき選挙を控えセキュリテイについて、選挙が行われなかったか延期された場合、あるいは選挙は予定通り行われたが,その結果がある特定の党派(この場合特にマオイスト)に良い結果でない場合のいずれの場合であっても国内は混乱に陥る可能性が高いので、これに対処する必要があるとの見解です。
国軍は現在のところ静観しているが政府の命令があれば出動することは明言している。
5. マオイスト派の言っている共和制はプロレタリア独裁(ずいぶん昔の言葉で今では死語でしょうが)ですが、その他(共産党も含め)が主張しているのは民主主義共和制?であって同じようですが全く違うものです。
6. ネパールはアメリカのような共和国になりたい、アメリカのような共和制がコングレス党などの目指す政体です。(これは事実です)

<信頼出来る現地筋の見方>
1. 11月22日の選挙が行われるかどうかはっきりしていません。
2. 8政党連合が全く一枚岩ではないため簡単に立憲君主制から共和制に移行することは,相当な摩擦を覚悟(お互いに)が必要である。
3. まして、約250年も続いた王制が摩擦も無く、簡単に国王がやめるかどうかも疑問です。
4. ネパール人には王制のDNAが入っており、その民意も無視できないでしょう。
5. コイララ首相は我慢強く立憲君主制への説得を現在でも共和制派へ行っています。問題はコイララ首相の健康です。85歳の高齢で国民に人気が有り,求心力がありますが次が全くいないと言われています。実際コイララ首相の超右派から超左派まで抱えた強い政治力は賞賛に値するでしょう。
6. 国軍を無視したら大変なことになります、国軍はけしてマオイスト承認派では有りません。1996年から現在までマオイストと国軍が正面で戦ったことは有りません、その訓練、伝統、実践での経験はマオイストの素人の軍人とは大きく異なります。このことは、マオイストが良く知っており決して正面では戦いません。
7. マオイストは選挙には反対です、これは選挙では勝てる見込みは全くなく、選挙で負けてしまうと国民に支持が全く無いことが明らかになってしまうためです。マオイストおよび同調する勢力は政情が混迷している方が存在価値が高い(?)ことを知っています。

< 最後に、現地からトレッキングにお出かけの皆さんへのメッセージ>
1. マオイストやその他の反王制の政党は暴力団ではありません。ネパールを訪れた時の危険と不便を混同しないで下さい。
2. 王制だろうが共和制であろうがトレッキングや登山や観光には全く関係ないと言っていいでしょう。どちらの制度でも観光客はネパールの大事なお客様と言うことは間違い有りません。共和制になったら観光客を締め出す、危害を加える、こんなことは絶対ありません。
3. ネパールから発信される政情についての各種情報は、鵜呑みしないことです。結構興味本位な内容、実態を表面だけで捉えているものも多いです。現地に居住する外国人(日本人を含む)は騒いでいません。時に不便はあっても平穏です。

信頼できる体制を整えている旅行会社を利用し、安心してネパールへお出かけ下さい


                                 富士国際旅行社 中野隆夫(2007.9.28)



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